仏壇に「通知表」
私が小学生の頃、通知表は「よいこのあゆみ」と呼ばれていた。
年度が終わって家に帰る。
やることは、誰よりも、、、もちろん親よりも、まず、仏壇に手を合わせ、いち早く通知表を仏壇に置き、報告をすることだった。
なにを報告するって?
もちろん、成績!
そして、お礼をする。
で、「ゆーでぃきやー(優秀)になりますように・・・」と、ウグァンスー(ご先祖様)にお願いをする。
その後、仕事から帰って来た両親や家族が成績表を見る、という流れだった。
考えてみると、あの頃は、すべてが、仏壇を中心に動いていた。
もらった成績表は、仏壇に置かれ、新学期がはじまると、仏壇に手を合わせ、返してもらってから、学校に持って行った。
そして、年度が終わると、仏壇の引き出しに大切に収められた。
それ以外にも、お金やら、大切なものは仏壇に隠したり、置いたりする傾向があった気がする。
あの頃の沖縄では、きっと泥棒は簡単だっただろう。
だけど、ウチナーンチュの泥棒であれば、きっと仏壇から泥棒をするのは、相当気が引けたのではないだろうか。
それほど、先祖崇拝は根強く、そして、子どもからお年寄りまで根付いたものであった。
時は流れ、今はどうなのだろう。
仏壇に通知表の姿は、あるのだろうか。
この季節になると、仏壇に置かれた通知表を思い出す。
ちなみに、私がでぃきやー(優秀)にならかなったのは、けしてご先祖様のせいではありませんので、悪しからず。
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